ひよこ風呂(仮)

元ジャニヲタで現ヅカヲタの観劇記です。たまに歌舞伎も

そらアニタに寄せて

和希そらさんについて。

 

そらを知ったのは例に漏れずまぁ様ブリドリです。あの番組が楽しくて楽しくてヅカヲタになったようなものです。原点ですね。
ジャニヲタ界には「担当」という言葉がありますか、ジャニヲタ時代、担当(自担)とは別にとてもとても好きなタレントさんがいました。その方はもう、凡人の努力って無駄なんじゃないかしら?と思えるほどの天性のダンサーさんで、神様に愛されるってこういうことなのだなあ、と思っていました。


それと同じことを感じたのが、ブリドリの和希さんです。あのSABARSのオリジナルダンス


身体のラインが美しいこともひとつの才能だと思うのですが、和希さんのダンスの美しさは体重移動のそれにあると思っています。重力をコントロールしているのではないかと思う、あの動き。前述のジャニーズの方も正直スタイルの良い方ではありませんでしたが、誰よりも美しかった。
ブリドリを初めて見たときはまだまだジャニヲタでしたが、そうか宝塚にもこういうダンスをする子がいるのか!と嬉しくなりました。そしてあの中身、愛さずにはいられません。

 

もちろん、そらの歌声も好きです。現役の男役さんの仲では一番好きだと言っていい。男役をやるためのような歌声!バウのワークショップでの「僕こそミュージック」は泣きました。いつか演じてもらいたい役はロミジュリのベンヴォーリオです。どうしても「どうやって伝えよう」をあの声で聞きたいから。当然ロミオはずんちゃんです。

 

そんな才能に恵まれたそらに、ついに回ってきた大役アニタ

見なかったら一生後悔する。そう思って必死になってチケットを取りました。余談ですが、某カード枠の発売時間10分前になって余計な話をしてきた奴のことは一生許しません。それでも死物狂いで取りました、2017年一番頑張ったと思える出来事です。あんなに緊張する仕事はないぜ。おかげで友人たちと一緒に見に行くことができるし、そらを見てもらいたい!と思っていたヅカ未体験の方とご一緒できることにもなって過去の自分に感謝しかないです。

 

さて。

実はこの記事は2度目の観劇の前に上げようと思っていたものでした。 一度気持ちに整理をつけてから、2度目にして最後の観劇に臨もうと思っていたのですが、結局この先の文章が何も書けなくなって観劇を迎えてしまったのでした。

 

そらアニタは想像通りのアニタでした。

 

想像以上、とは言えませんでした。 それは私が過剰なまでにそらに期待していたからで、決して期待外れだったという意味ではありません。私が見たかったアニタがそこにいたのです。ダンス、歌。そしてそれ以上に芝居、そして更に仁。すべてがハマっていました。神憑りとはいいません。あれは全て、そらの技術力の結集だからです。

 

それでも、私たちが手放しで絶賛しているそれを、宝塚を見たことがなかった方にも「初見でも素晴らしさが伝わってきました、圧巻でした」と言ってもらえた時は本当に嬉しかったです。自分には「当たり前のこと」すぎて、冷静な視点を持っているとはとても思えなかったから。ああ、きちんと伝わるアニタだったのだ、となぜか私が自信を持てました。

 

そらアニタの素晴らしさを伝える文章はすでに溢れていると思いますので、それは書きません。うまく書けないから、ですが。

 

願わくば、このアニタ役が和希そらさんの通過点となりますよう。ここは彼女の宝塚人生の頂点ではありません。ますますのご活躍を、次回大劇場公演ではきっと勇ましい武人の姿を見せてくださることを信じています。