ひよこ風呂(仮)

元ジャニヲタで現ヅカヲタの観劇記です。たまに歌舞伎も

WEST SIDE STORY 1/13 11:00 その1

フォーラムは星ラブドリ以来だったでしょうか。3階席には開演前はエレベーターでしか行けませんよ、と言う未来の自分への伝言。

 

何から書こう?という言葉がまず出てくるのが現況。でも次の観劇までに一度アウトプットしてしまいたいことがたくさんある。困りました。

 

まず真風涼帆さんのトニー。

演目が発表された当初、え、じゃあゆりかがトニーってこと?それはミスキャストじゃなくて?と思いました。一番身長もあるし、どう考えてもベルナルド役者だと思ってました。でも、それは間違ってた。ゆりかは素晴らしいトニー役者でした。私がゆりかを初めて見たのがロスグロで、当時は「星組の三番手はすごく若手」という程度の認識でした。実際に舞台で見ても「なんだかぬぼーっとした子だな」というのが印象の全てで、それはその後変わることになるんですけど今はそれは置いておいて、その「ぬぼー」っと感が今回のトニーにはふごくはまっていました。

ジェッツにいるだけでわくわくした、その気持ちはいつしか無くなってしまって今は毎朝見る夢について考えている。何かがやってくる、その予感だけで仲間と距離を置き、大人と付き合うようになる。ダンスパーティーでマリアに出会って、かつての仲間は今から始まる戦争会議にピリピリしているのに、そこへ勢いよくドラッグストアの扉を開けて駆け込んでくるトニー。

「ドク、聞いて!!」

私はここのゆりかが一番好きです。マリアに出会ってから、ずっとふわふわと空を飛んでいる、という描写が本当にはまっていた。自分がドクだったら、かわいがりたくなるゆりかトニー。そう思わせたらもう勝ちでしょう。ゆりかちゃんに完敗。

 

星風まどかちゃんのマリア。

まず、顔が、小さい。小さすぎる。

一言めがそれかよ、と言われて当たり前ですが、ゆりかとの対比がすごいんだもん。あ、大小だけの話ではなくて。でも大小あるのがすごく良かったと思いました。3階席からは更にその対比が生きて、もう身長差20cmはあるんじゃない??くらいに見えるんですよ。別に身長差絶対ではないのですが、男役がキスをするのに膝を折る、というシチュエーションは問答無用できゅんとするのです。

まかまどの声の相性もすごく良いと思います。2人声色が甘く重なるTonight。まどかもゆりかも高音はちょっと…な部分もありましたが、お芝居になっていればそんなことは気になりません。

想像していたよりも「おきゃん」なまどかマリアでしたが、その分、短時間で成長するしかなかったマリアの姿が辛かったです。ただラストシーンが少し間がもっていないように感じたのはあれは脚本のせいかな。2日めで全体的に固さはまだあったので、次の観劇でどう感じるかが楽しみです。

 

宙組デビューの芹香斗亜さん。

コンサバのキキちゃんが好きで、ああいう役をやらせたらピカイチ、と思っていたので組替え発表されて「じゃあベルナルドか…」とゆりかトニーに対して思ったようにキキちゃんにも思いました。

結果は、ゆりかトニーほどにははまっていたとは思いません。もう少し色濃さは欲しかったかなあ、と思います全体のバランスを見ると。戦争会議や決闘シーンの間の良さはやはりずっと二番手を張ってこられた方だと思いました。

トップコンビの相性はもちろん、トップさんと二番手の相性の良さって本当に大事だな、とまぁまかで学んだので、まかキキには期待しています、これからの宙組を、ゆりかを支えてあげてください。キキちゃん、ようこそ宙組へ。

 

桜木みなとさん。

「神々~」の時のような役作りで来るのかな?と思ったらずいぶんとわんこなずんちゃんリフでした。リフとしてはもう少し大人な部分もあってもいいかな、と思うんですマーキューシオが最期に「お前が間に入ってきたから刺されたんだぞ」と言うように、トニーに対しては尻尾を振るだけじゃない方が私は好みです。

これはゆりかとの学年差かな?と思うのですが、ずんちゃんは宙組が誇る95期スターですので、もっとやってもらいたい!ずんちゃんにここまで辛めの意見を持つのは初めてかもしれません。今週の男研でお話されてましたが、元々の歌やお芝居に加えて、お化粧も髪型も弱点を生かして美しくなって、いやでも今後に期待してしまうスターさんですから、今回のリフは普通に出来て当たり前、くらいの辛めでいきたいと思います。頑張れずんちゃん。

 

チノ、蒼羽りくさん。

私、りくチノすごい好きです、大好きです。クレヨンの時もだいたいこの一言で終わったな。

私はチノはもっとマリア自身を愛していると思っていたのですが、プログラムの座談会でジョシュア先生が「マリアと結婚できることはラッキーだと思っている」くらいだと言ってるのを見て、そうかマリアはまだプエルトリコから呼び寄せられて1ヶ月で、元々旧知の仲ではないということなのかな?と解釈しました。

りく自身の解釈としては、周りにいる人全てに優しい、と語っていたけれど、チノが愛していたのはベルナルドと彼が作ったチームだけなんじゃないかなあ、と思わずにはいられない、マリアの寝室にチノが訪ねてくるシーン。

悪い知らせだ、と告げるとマリアは「トニーに何かあったのね?教えてちょうだい!」と取り乱す。何かにはっと気がついたチノがマリアが羽織っている上着を剥ぎ取る。白い薄布の下には真っ先に兄を心配をするはずの妹が着るべきではない、華やかな、まるで花嫁のようなピンクのドレス。それを見たチノの絶望と怒りの表情。

この瞬間、マリアはチノにとって「仲間を守って死んでいったベルナルドを侮辱した」人間になったのだと思います。そして、復讐をしなければならないことに気がついてしまう。

どう解釈しても、チノの未来が明るくないように思えてしまうのは演者が語っていたのと同じですね。チノは罪を償ったあとはマリアともかつての仲間とも会うことはないんじゃないかな、と私は思います。ラストのチノの表情がそう語ってるように思えました。

 

続きます。